設計者が解析を行なうことが増えてきました。そして今後も増え続けることでしょう。
一方で、設計者がカンタンに使えるように工夫を凝らした設計者向けの解析ソフトも出揃った感があります。これらのソフトの宣伝文句には、「設計者でもカンタンに使えます!」と謳われています。
果たして、本当にそうなのでしょうか。確かに「操作」は誰にでもカンタンに使えるようになっています。クルマに例えれば、昔の解析ソフトの操作性がマニュアル車だったとすれば、今時の設計者向けの解析ソフトは、まるでオートマチック車の操作性です。
マニュアル車であっても、オートマチック車であっても、クルマを運転する前に必ず必要なコトがあります。それは運転免許を取得することです。
ピアノも同じです。ピアノだけ購入しても美しい曲を奏でることはできません。もちろん独学という手もありますが、まともに曲を奏でることを目的とするならば、音楽教室に通った方がいいに決まっています。
これまでたくさんの設計者向けの解析ソフトを評価してきました。昔に比べると操作は驚くほどカンタンになりました。ただしそれはあくまでも、マニュアル車がオートマチック車になったのと同じレベルなのです。
正しい解析を行なうために、自動車教習所や音楽教室にあたる部分は何になるのでしょうか。
正しい解析を行なうためには、材料力学や有限要素法の基礎知識が必要になります。これは解析ソフトの操作教育では、ほとんど学ぶことができません。また教育に含まれていたとしても、ほんのさわり程度です。
材料力学も有限要素法もどちらも成熟した学問です。よって奥が深いです。そのすべてを把握しようとすると、相当な時間が必要になります。
解析工房では、正しい設計者解析を行なうために最低限必要な材料力学と有限要素法をお教えします。材料力学や有限要素法のことを「座学」と言います。
なぜ解析工房が必要か。それは材料力学や有限要素法の座学なくして、正しい解析はできないからです。このことは仮定ではありません。真実です。